以前少しふれましたが 力士は入門すると最初の半年間は国技館の

敷地内にある「相撲教習所」に通う。そこで基本の四股や又割り、鉄砲

なんかを習う。中でも基礎体力作りは実にきつかった。

なにをするかというと「腕たてふせ」を10回。これだけ。

最初に聞いたときは「うわー簡単」と喜んでたんですが とんでもない。

私は自慢ではないが入門当事、腕たてふせは5回しかできなかった。ホント。

 

教習所の稽古場で親方が「腕たてふせだ。全員用意」この掛け声ではじまる。

「いーち」で体を下ろす。「にーい」を言わない。「いーち」の状態で約5分。で やっと

「にーい」で体を起こす。この1回でもう限界。次の「いーち」をまた言わない。

起こした状態でまた5分キープ。で「いーち」でまた下ろす。これを3回ほどやると

あちこちでバタバタとつぶれる。すると親方「はい4人つぶれた。4回追加。」と延々と続く。

最初はみんなで励ましあう。「がんばれ」「終わんないぞ」しかし後半になってくると

「てめー つぶれたらわかってんだろうな」「またおまえか」とののしりあいに変わっていく。

結局これが1時間ほど続く。これがほぼ一日おきにおこなわれる。

すると半年後 5回しかできなかった腕たてふせが汗をかかずに100回できるようになる。

汗をかけば200回もいけるようになります。そしてたいして疲れないんですね。

トレーニングは自分の限界を超えないと身にならないと聞いた事がありますがまさにそのとおり。

しかし自分の意思で限界を超えるのは非常に難しい。誰かにむりやり超えさせられないと。

やらないと竹刀でくらわされる、あと2回で終わり、とアメとムチで鍛えられていく。

そうして強くなっても関取になれるのは平均100人に1人。厳しい世界です。