お相撲さんはみんな足が180度開いておなかがべたーっとついて体が柔らかい

イメージをみなさんもってると思いますが実際は元々体が柔らかく、べたーっと

いく人は全体の1%もいません。なにせお相撲さんのほとんどが元々ただのデブで

ただそれだけの理由で地元のタニマチ(贔屓の人)の紹介で相撲取りになってます。

学生時代から相撲部に入って「俺は将来 横綱になるぞー」なんて人は私の知る限り

ほんの一握りしかいません。だから当然運動なんかやった事がない奴とか体が

ガチガチに固い奴がほとんどです。そこで又割りです。

新入門の力士は最初の6ヶ月間は国技館内にある「相撲教習所」に通わされます。

ここで体が固い連中は又割りの洗礼を受けます。(私もそうとう体が固かった)

なんとなく部屋の兄弟子から又割りの事は聞いていたので

教習所でそれっぽい感じの柔軟体操が始まるとかなり警戒してました。

教習所付きの厳しい親方が大きな声で「はい 座って又ひらけー。まず頭をつけろー」

つかない。もがいてると親方が近寄ってきて妙に優しく「おいおい西本。固いな。

体が固いと土俵で怪我するからがんばれ。」と言いながら後ろから優しく押す。

ぐおー。いててて。「ほら がんばれ。なに怖がってるんだ。少しずつ柔らかくするから

安心して力抜け」と親方が言った瞬間に背中に衝撃。

体重160キロの教習所付きの幕下のコーチが密かに走ってきて背中に正座をする様に

飛び乗ってきた。ガーンとおでこを地面にぶつける。飛び乗った幕下は今でも

覚えてる。高砂部屋の伊予桜。このやろ。

又の両筋がブチブチっと音をたてて切れる。みるみるうちに足の付け根が腫れ上がり

尋常じゃない腫れかた。歩けない。四つんばいで歩く。親方に2時間程休めと言われ

休んでるとなんとか超ガニマタでゆっくり歩けるようになる。

部屋に戻りジャージに着替えてるとマネージャーが来て「おお西本、歩けるか。教習所の

親方から連絡があったぞ。足見せてみろ。」足の付け根を見せるとさらに腫れている。

「おおー。きれいに切れたな。すぐ病院に行って来い。電話しとくから」

言われるままに墨田区にあるお相撲さん御用達の「健生堂病院」に行く。

受付で「あのー」「はいはい 聞いてますよ。どうぞ」一般の患者さんをパスして

中に入る。先生が「君が今年の新弟子か。どれ見せてごらん。」

「おお。見事にはれてるな。痛いけど我慢しなさい」グリグリと足の付け根を揉まれる。

看護士2人がかりで押さえつけられ10分程耐える。泣くほど痛かった。

「我慢して少しずつ柔軟をやらないといかんぞ。腫れがひいたらびっくりするから」

「なにがびっくりするんですか」「あとで判るから」

翌日から痛みをこらえながら以前よりも開かなくなった足をがんばって開き 柔軟を続ける。

10日程で腫れがひく。すると又割りをするとカパーっと足が開きおでこ、アゴ、肩とつく。

自分で自分の体にびっくりする。