昭和58年9月が初土俵の私が現役の頃の横綱というと北の湖、降の里、そして千代の富士関。

相撲をあまり知らなかった私でも千代の富士さんは知っていた。生で見ると実にかっこいい。

筋肉隆々で鋭い目つき、四股もきれいでなんといっても強い。

二所一門の連合稽古(佐渡ヶ嶽部屋も九重部屋も二所一門です。)でたまに千代の富士関が

稽古にやってきて大関の琴風関と稽古をします。体重128キロの千代の富士関が体重170キロの

琴風関の当たりを受け止めて簡単に投げてしまいます。その時の横綱の腕から肩にかけての筋肉の

盛り上がりかたは尋常ではありません。倍くらいに膨らみ、170キロの大関が軽々と投げられます。

近くで見ていて鳥肌が立ちます。

 

光栄な事に一度だけ横綱にぶつかり稽古で胸を出してもらった事がありました。

横綱:「おらー、ガーンと来い!」

私:「ごっっちゃんです」 がーん。(当たる)

胸がカチカチの鉄板で当たった瞬間に首がつっこむ。(突き指の首版です)ジャミラの様になりフラフラする。

それを見て大声で笑う横綱。稽古場で笑うのはご法度ですが横綱に「笑うな」なんて言える人はいません。

ぶつかり稽古が終わり、横綱に水を付けて「どうもごっちゃんでした」と挨拶をする。と「おい、氷買って来い」と

廻しの中から1万円札を出す。「はい」と近所の氷屋さんに行って氷を1貫目買ってきて砕いてコップに入れて

氷水を出す。「おう、早かったな」「おつりです」(たしか9500円くらいあったと思います)「もってけ」「ごっちゃんです」

横綱と会話らしい会話といえばこれくらいですが あの野太い声は今でも覚えてます。